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プリセプターナースが指導2日目で悩み始めた理由

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新人看護師が入職して3日がたちました。

1日目はオリエンテーションなので、業務に入って実質2日目です。

 

新人看護師はプリセプターのAさんがマンツーマンで指導をしています。

今日もずっとペアで動きながら指導している様子が伺えました。

新人看護師が先に帰り、Aさんは残りの仕事をまとめていました。

 

「仕事終わる?帰れそう?」と聞いたら、

 

「今日一日新人さんについて指導しましたが...私の仕事や指導が遅くて。新人さんはきっと色んな事をどんどん覚えていきたいと思っているのに、私が遅いから申し訳なくて。」

 

と話してくれました。

その一方で新人看護師のことを何といったかというと

 

「今日私の腕で採血の練習をしたんです。でもその後にお年寄りの腕を触って皮膚の感じや血管の感じが違うってことが分かったみたいだから良かったです^^」

 

と嬉しそうに話してくれました。

これを聞くだけでも、どれだけスローでおっとりした感じで指導しているか想像がつくのではないでしょうか?

 

ちょっと、それ看護学生レベルじゃ?なんて思ったりもしましたが、それくらい新人看護師のひとつひとつの反応を観察しているんだ、と感心さえしました。

 

ここでAさんについて簡単にお話しますと・・・

Aさんは看護師経験は10年くらいです。

今の病院で働いて今年で4年目。

この病院でのプリセプターは初です。

基本スローペースです。

話し方もスローで、早口の私とくらべると2倍遅いしゃべり方。

なので、申し送りも倍以上かかってしまいます。

仕事のペースも早いとは言えず、要領よくテキパキこなすといった感じでもありません。

質問すると「うーん。。」と悩んでパッと返事が返ってこないので、せっかちな私は先に「〇〇だよね?」とあおってしまう事もあり、反省しています。

医師にも気に入られており、これを私がすれば怒られるであろうことがAさんだと優しく教えてもらえることもあり、なんか不平等だなー、と思うこともありました。

 

慌ただしい仕事が多い看護師にとっては、決して出来る看護師とはいえないAさんですが、不思議と悪く言う人はいません。

私自身も、Aさんのことは悪く感じません。

 

その理由として、Aさんは計算してスローではなく全力でやってもスローなんです。

あとAさんは尊敬できるところがあります。

それは、決して人のことを悪くいわないことです

中には内心では思っていても口に出さない人はいますが、内心もきっと悪く感じていないんだろうな~というのが感じるんですよね。

話しかければいつもニコニコ。

体調が悪かろうが、子供の迎えの時間がギリギリで困っていようが、絶対に人のせいにはせずバタバタ・イライラしません。

 

そして今日の一言。

もう、ハグしてあげたくなりました。

 

私はAさんの良さを、Aさん自身に知ってもらいたくなりました。

 

「不安で一杯の新人さんにとってAさんのペースは安心感をあたえるんだよ。」

「あまり一気に説明してしまっても、新人さんの頭の中はいっぱいいっぱいになっちゃうからね。Aさんのペースで良いから確実に教えていこうね。」

 

あと何か上手いことが言えれば良かったけど・・・

Aさんに私の気持ちがつたわったかしら…

こういう時にポーン☆と感動するような一言を言える能力が欲しいとつくづく思いますね。

 

そんな事があった今日の帰り道、自分がプリセプターをしたときのことを思い返しました。

 

自分がプリセプターの時、できない理由をプリセプティのせいにしていなかったか。

“どうして覚えられないんだろう” “覚えようという必死感がないんだよなー”

どこかでこんな気持ちがありました。

 

今回のプリセプターナースのAさんが悩み始めた理由は自分自身の指導の出来でした。

 

私は新人が出来ない理由を考える時に、自分自身の指導がどうだったか振り返りをきちんとしていたのか?

 

出来ない。覚えられない。を新人ナース自身の問題と決めてけてしまっているパターンをよく目の当たりにしています。


プリセプターも何回か経験すると、変に慣れてしまって、新人がどれだけ早く仕事を覚えて戦力になれるか、という見当違いな事を目標にしちゃうんですよね。

 

職場にとっての戦力でなく、新人看護師は一人の人。看護師という職を選択した尊い存在。指導する前に相手を知ろうという気持ちでいないといけないと感じた一日でした。